死別後は自分の身体のケアを欠かさないこと

死別は肉体的なダメージになる

パートナーの死を経験した人は、経験していない人に比べて死別後1年間は心臓病を発症するリスクが高い、という研究があります。
※とくに死別後1~2週間はその危険性が1.9倍になるそうです。
またメンタル面でも、うつ病になる確率が増えます。
うつ病は一般的に人口の3~7%がかかりますが、死別して1年で15%がうつ病にかかるという調査があります。

大切な人を亡くした時に人は、心や体や行動にいろいろな変化が起こります。
上記の研究のように、それはあなた一人ではありません。
このような心身の変化は、異常なことではなくて、自然な反応です

死別後に起こりうる主な反応としては、次のようなものがあります。

死別後に起こりやすい心身の反応

・よく眠れない(目覚めやすい・夢が多い)
・風邪をひきやすくなるなど免疫力が落ちる
・食欲がなくなる
・胃が重い
・常にだるい感じがする
・頭痛やめまい、頭が重い感じがする
・胸がしめつけられるような感じがする

・世の中のできごとに無関心、無気力になる
・集中力や決断力が乏しくなり、物ごとを自分で決められない
・涙が止まらない
・不安になったり苛立ったりする
・周囲の人達との間に、カーテンやモヤがかかったように感じる

体へのケアが欠かせない

精神的にしんどい時期ですので、メンタル面を強化しようと思っても、それはムリというものです。
悲しみや苦しみから逃れようと思っても、それは難しいことですし、逆効果ですらあります。
それに関しては別に記事を書きました。

https://hot-89.com/kanasimi_jyuyou/

悲しい気持ちと向き合う、というか、感情があふれるに任せる時期を持つことは大事だと考えます。
これが「心の喪中」です。

一方、心のダメージではなく「体のダメージへのケア」はできます

先ほども書いたように、この時期、体には自律神経の乱れや免疫力の低下などが起こります。
放っておくと自分自身が大病を起こしてしまうかもしれないし、そもそも日常生活の質が低下するので、余計に心も元気が出づらくなります。
体からくる不調で心も元気が落ちるのは何とか食い止めたいものです。

そして実際に、心→体→心という悪循環は食い止めることができるし、積極的に体の機能がプラスになるように支えてあげた方がメンタル面にも良い影響があると言えます。

とくに死別後最初の1年間は危険な時期と言われます。
その間はしっかり体のケアをしてあげて欲しいです。

私自身も、最初の1年間は念入りにケアをしました。
自分が倒れてはどうしようもない、と思っていましたし、気づかない健康レベルの低下があるはずという認識でいましたので、進んでケアを行いました。
結果的に病気をすることなく1年を経過できました。

やはり一周忌は大きな区切りになります。
法要が区切り、というより、1年ほど経つことで「心の喪中」から抜け出たような感じになってきました(これは自分の場合)。
ですので死別直後の方には、まずは1年間、しっかりケアをしてほしいとお伝えしたいです。

具体的なケア方法

虚弱・自律神経失調・免疫力低下が危ないと思っていたので、内臓系の賦活を目標にケアしました。

温パック

具体的には『内臓系(肝・脾・腎)への温パック』です。
場所のイラストなどは【こんにゃく温湿布のやり方】などで検索をかけてもらえれば出てくると思います。
よくある方法の通りではなく、そこは鍼灸師ですから微妙にアレンジしましたが…(笑)

私はこんにゃくではなく、ジェル状の温冷パックをお湯で温めて使っていました。

これの良いところは、バンドで固定すると日常生活に不便がないことです。
朝起きてきて、お湯沸かして、温パック作って、体に当てて固定したら、あとは食事・新聞・歯磨きなど何でもできます。

子供もまだ小さく世話もありましたので、毎日動けない時間を設けるのはなかなか継続しづらく、ちょうどよい方法でした。
方法自体は民間療法ですが、経穴的にも兪募穴に上手く当てることができ鍼灸医学的にも効果は期待できたと思います。
実際、自分の日々の癒しにもなっていました。

せんねん灸

足三里・合谷・曲池・内関・太衝・太渓と言った手足のツボにせんねん灸するのもいいですね。
手足なので自分でもできるし。
毎日やるのは結構大変なので、日々温パックしていれば週2~3回でいいのでは。

もっと本格的に体に鍼灸したい場合は、やはり専門家を頼って欲しい。
セルフケアだけでなく、鍼灸院で定期的に施術を受ける事も健康増進に役立ちます

生活習慣の改善

最後になってしまいましたが、当たり前に生活習慣が大事です。

・睡眠時間を確保する。
・食事の量も食べ過ぎにならず、空腹感を感じるようにする。
・お通じ具合で自分の胃腸コンディションを確認する。
・適度な運動として散歩やストレッチ。

以上のような養生の基本を行うくらいで十分です。

体が元気だと心も元気になる

体のケアを続けることで肉体的ダメージは減ってきます。
快眠・快食・快便といった「快」をカラダが多く感じれば、ココロもそれに応じてうれしい気持ちになります。
それで悲しみや苦しみがなくなるわけではないですが、早く減っていく気がします。

必ず悲しみが明ける日はきます
時間がかかっても、必ず来ます。
その日まで体のコンディションを維持してください

良い状態のカラダを作っておくことは、悲しみの最中にいても可能です。
(あまりにひどい悲しみの渦中では「何もしない」ことがベストかもしれませんが…)
死別後の体は、危機にさらされているという認識で、メンテナンスをしてあげて下さい。

応援しております。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA