いまから鍼灸師を目指すべきか!?

鍼灸師の未来

鍼灸師の将来性

20代の女性から「鍼灸師になるために鍼灸学校に入学するつもりだ」と聞きました。
その場では「がんばって下さいね!」とお伝えして話は終わりました。
軽い立ち話程度だったのでその方についてはそれ以上何も言うことはなかったのですが、鍼灸師の将来性について少々考えたので書いてみます。

「鍼灸師は儲からない」は続く

儲からない職業であるのは事実。
勤務鍼灸師では「月収20万円~25万円」くらいの提示が多いようです。
ボーナスは寸志程度なので、年収ベースでも300万円くらいでしょうか(ちなみにこれは額面です、手取りはもっと減ります)。
明らかに低いです(>_<)
これは低賃金でしか雇えない事情があるからなのですが、勤務側にも将来の開業に備えて修行する目的で勤めている事情もあります。
「いずれ辞めること前提」の採用なので、低賃金が固定化されているのです。

では開業すれば高収入なのかと言えば、これまたそうでもないです。
開業した後の収入はピンキリですが、一部の突出した成功院と細々と経営する多くの鍼灸院という2極化傾向はあります。
一般論で言えば、細々食べていける程度だよ、と言った方が可能性は高いです。

なぜ鍼灸院が儲からないのかと言えば、いろいろ理由は考えられます。
…が、結局のところそんなもの自分にもわかりません!
分かっていたらもっと成功してます(^^;)
ただし、大きな地殻変動でもない限りこの傾向は将来的にも続くことでしょう。

鍼灸師は変わり者が多いのか?

「鍼灸師には一部に変人がいる」が事実ですね。
多くはまともな人たちです(笑)
変人とは「鍼灸というマイナーな=変なもの、が好きな人たち」という意味なのだろと思っています。
伝統工芸に弟子入りする若者とも同じ、かと。
もちろん、東洋医学や東洋哲学の思想が好きすぎて、あまり頑固に自説を貫こうとすると変人=偏屈とみられるかもしれませんね。
一部に原理主義のような人がいるのは、どの世界にもありますよね。
柔らかい考え方が大事なのは一緒で、実際の鍼灸師は普通の人たちです(笑)

ただし、世の中的にメジャーでないものを選択しているという意識は持っていた方がいいかもしれません。
分かってもらいづらい壁が高い=自分のモチベーションがより大事、ということです。
自分だけの(良い意味での)プライドが重要ってことです。
これも地殻変動的に認知度が高まれば別ですが、今後も続くことだと思われます。

高額な鍼灸学校を出る価値があるのか?

鍼灸師という国家資格の価値ってことですが・・・そんなの知りません!!
学校は、鍼灸がしたいなら必須だし、鍼灸しないなら無駄だし、これは要するに「鍼灸へのやる気の問題」かと。
国家資格というブランドが欲しいだけなら、そのための時間と費用(3年間で500万円とも言われます)の費用対効果は悪いです。

マッサージもある学校の方がいいのか?

「鍼灸しかしない」と決めているのであれば不要ですが、普通なら「鍼灸マッサージとったほうがよい」で決まり。

鍼灸の勉強は難しいのか?

学校を出る=資格を取るという意味だけなら、簡単です。
普通の頭なら安心してOKです。
鍼灸道を極めたいという意味なら厳しい道のりです。
ただしどの仕事も険しいのは同じでしょう。

鍼灸師の将来性のまとめ

『結論 : 全て自分次第』

以上!

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これだけだと身も蓋もないので補足します。

【鍼灸師の収入】
基本的に鍼灸師は儲からない仕事なので、地味に生きる覚悟は必要でしょう。
手に職のイメージ通り、細々は食べていける可能性は高いのでそれで満足できるかどうか、です。
男性で世帯を持つことを考えるなら、パートナーにも働いてもらえれば大丈夫でしょう。
その分、家事育児もしっかり分担しましょう。

【鍼灸という仕事】
鍼とお灸で病気の人のお役に立てるのですから、やりがいは確実にあります。
そのために勉強を続けることが必要ですが、それは当たり前。
ただし、病んだ人を助ける方法は、なにも鍼灸でなくてもよいのです。
マッサージでもカイロでも機械でもカウンセリングでも、なんでもいいのです。
だからこそ、鍼灸師は鍼灸に関心や興味を持ち続けられるか、が大事になってきます。
良い意味での、こだわり・誇り・興味を持ち続けたいですね。

【鍼灸学校】
勉強はさほど難しくないです。
普通にやっていれば普通に資格が取れます。
学校選択は、可能であれば「鍼灸マッサージ」の学校がベター。
ただし「鍼灸をやりたい」と思って入学するなら、鍼灸だけでも全く問題なし。
鍼灸マッサージ資格が取れる鍼灸学校もそれぞれカラー(校風)はあるようです。
学校見学などに行かれて雰囲気をじかに感じてみるのも良い、と他の鍼灸師は言っていました。
参考まで…。

【開業できること】
開業権は鍼灸師の良いところ。
ただし、開業してやっていく能力とは経営能力やスキルであり、治療の能力とはまた別の能力なので、それも磨く必要があります。

以上、補足でした。

鍼灸は一人で行う仕事だし、自営業も基本的にはひとり。
良くも悪くも自己責任が性に合う方が相応しいかと思います。
(未来的には「勤務鍼灸師のまま定年まで」という選択肢もあり得そうですが…)