カフェ併設鍼灸院ってどうだろう?
カフェ併設鍼灸院
カフェ併設の鍼灸院というのが以前一時期、静かに、かすかに、淡く、ブームになったことがありました(…よね!?)。
最近あまり聞かなくなりました。
もちろん今でも『カフェ&鍼灸院』はあるでしょうが、経営するには“誰でも”な気軽な組み合わせではないのでしょうね。
ちょっと憧れたことがあっただけに、自分で書いてみると上手くいかなそうなので残念な気分になりました…(^^;)
現実的に考えてどうだろう?
カフェ併設鍼灸院は、カフェと鍼灸院という異業態をコラボさせて集客しよう、という戦略だと思います。
毎度ですが「商売は、お客さん(患者さん)が価値だと感じるモノを提供すること」です。
組み合わせるからには、カフェと鍼灸院が提供する魅力を連動させることです。
上手くいけば相乗効果が発揮される(=繁盛)し、されなければ空中分解(=閉店)してしまいます。
鍼灸院に価値を感じる人は、鍼灸に何がしかの期待を持ってくるわけです。
でもそれは不安も兼ね備えていることが通常です。「痛いのかも、熱いのかも」と。
ですので、鍼灸を選択するというのは、かなり意識的で考えられたのちの行動のはずです。
調べて、考えて、調べて、考えて、その結果行動、ということです。
フラッと急に「鍼灸院にいこう!」とかはならないです。
(そういうレアな人はいますが、ここで言いたいのは多数派の意見…)。
そういう鍼灸を求める人数(=母数)も小さいですし、そういう人たちはカフェ云々ではなく、鍼灸院さえあればそれで十分なはずです。
すると併設の意義は、カフェを訪れるお客さん(コーヒー・一服・おしゃべりの場に価値を感じる人たち)の母数は大きいので、そのお客さんたちの中から鍼灸に関心を持ってもらって、患者さんになってもらおう、という戦略なのだと思います。
ただ、カフェが提供するのは「美味しい」「楽しい」「リラックス」「憩い」のような価値だとすれば、「病気予防」「病気治療」「悩み解消」(しかもそこには「不安」といいうハードルもある)という鍼灸院が提供する価値とは連動性が遠い気もします。
だからカフェから鍼灸に関心を持ってくれる人たちがいたとしても、おそらく「鍼灸に期待を寄せるほどの深い悩みを持っている人」ではなく、「ちょっと不調を感じている人」でしょう。
ですので、鍼灸院の方は、そういう軽症患者さんを惹きつける魅力を持つことが重要になってきます。
それってそもそも、鍼灸はそういうちょっとした不調感の人たちが希望する価値と見合う治療法か?という話にもなります。
「鍼灸だからの価値」と「ちょっとした不調改善の希望」は釣り合わない気がします。
遠いんですよね。感覚的に。
対策としては、鍼灸専門では対応は難しいので、メニューも「マッサージ」「整体」「骨盤矯正」などに寄せれば、これは勝手な推測ですが、それならカフェとの併設に強みが少しは生きるかな、と感じます。
それ以上に感覚的に近そうなのは、健康教室的な体験する会のようなものではないでしょうか。
お灸教室、ヨガ教室、食養生教室、ストレッチ教室、アロマ教室…。
カフェでも『コーヒーの飲み比べ』や『ドリップ教室』のようなものはやっていますよね。
それと同じです。
まとめ
カフェと鍼灸院を並行してやるのは難しいです、きっと。
マッサージと鍼灸だって両方究めるのは難しいと言われているくらいですから、コーヒーと鍼じゃあ違いすぎます。
どっちも真剣に専業で取り組んではじめて芽が出る仕事だ、と私個人は思います…。
(なので、信頼の出来るカフェオーナーを雇って、自分は鍼灸院長という形もありだと思いますが、それだったらそもそもカフェはカフェ、鍼灸院は鍼灸院で良いのでは?とも思うので現実的ではなくなりますね(苦笑))
カフェを論じるなんて私には分不相応でしたが、「鍼灸の魅力ってなんだろう?」ということを違った角度から考えられて新鮮な時間でした。
まとまりがないことはお許しください。